후리가나로 읽는 일본 고전
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しゅんでい
春泥・三の酉
久保田 万太郎
久保田 万太郎의 春泥・三の酉(しゅんでい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 86,075자 · 173화면
「出来りゃァいゝんだ、話さえつきゃァいゝんだ。」三浦はそれをうけて「たゞそれだけ……たゞそれだけだ。……恥も外聞もあるもんじゃァねえんだ。」
「そうかなァ。」
感心したように田代はいった。
……その坂は尽きた。が、それよりも、もっと広い、埃っぽい傾斜がすぐまた三人のまえに展けた。――それを上りつめたとき、三人は、省線電車の間断なく馳せちがう音響を脚下に、田端へつゞく道灌山の、草の枯れた崖のうえに立った。――み渡すかぎりの、三河島から尾久へかけての渺茫とうちつゞいた屋根々々の海。――その中に帆柱のように林立する煙突の「新しい東京」の進展を物語るいさましい光景……「変ったなァ。」と歎息するように三浦はいった。「知るめえ、お前なんぞ。――ついこないだまで、こゝいら、ずっと荒川のふちまで一めんのもう田圃だったんだ。」
「一めんのねえ。」遠く田代も眸を放った。
「三月から四月にかけての菜の花のさかりのころなんぞったらなかったもんだ。」
「菜の花のねえ。」
その光景のうえにひろがった大空。――水のように晴れたその大空に影を曳いた夕焼雲。……小倉はそれをみて無言だった。