후리가나로 읽는 일본 고전
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やぎゅうつきかげしょう
柳生月影抄 名作短編集(二)
吉川 英治
吉川 英治의 柳生月影抄 名作短編集(二)(やぎゅうつきかげしょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 173,309자 · 352화면
「……ウむ……そう云うてか……ふム……」
いつまでも、同じ呻きとも返辞ともつかない呟きを繰返していたが、やがて彼の心はだんだん佐和山に蟄居している不遇な友のほうへ傾かずにはいられなかった。
「参ろう。……明日の夕」
「えっ、御来駕、下さりますと?」
「ひそかに」
「元よりでござります」
彦右衛門が退がると、近習の三浦喜太夫が庭さきへ廻って来て、
「殿……。先程の娘に、おことばの金子とらせましたところ、欣ばしげに、唯今、あちらにて遠くお姿を拝んで帰りました」
「誰か、従けてやったか」
「はい、夜道のことゆえ、兵を二人ほど添えて遣わしました」
「よう気づいてくれた……。蚊がおるなあ」
「また、少し燻しましょうか」
「ムム焚け」
喜太夫は、榧の葉を、縁で燻べ初める。その煙が逃げてゆく廂に、薙刀のような宵月が映していた。
刑部は、月のほうへ顔を向けた。油で濡れているように、顔の凹凸が青く光る。
「早いのう……何もかも一瞬じゃ……乳母も老いる筈、その乳母の手を離れてから三十年、治部と知り合ってから二十二年」
パチパチと、蚊いぶしの榧の火が静かに刎ねている。
「喜太夫」
「はい」
「書院にのこして来た麦菓子をこれへ。