후리가나로 읽는 일본 고전
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
大鹿 卓의 渡良瀬川(わたらせがわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 280,528자 · 557화면
「皇室中心祖国民衆主義」と繰りかえし呟いていたが、
「これはいい。いや有難い。気に入りました……」
と、目をかがやかせて無邪気なよろこび方であった。しかしそれはその場の行きがかりからのことで、正造はもともと自身が束縛されるのが厭なように、己の主義を人に押しつけようという考えはなかった。
正造は平生、わが国の民衆思想は遠く建国のむかしに胚胎したものであると説いていた。太古においてもっとも甚だしい罪悪とされたものは農業妨害の罪で、八種天罪ということが日本書紀に出ている。「岩戸隠れ」はこの天罪を犯された素盞嗚尊をこらすための神意だったので「天ノ安ノ原」に於ける八百万神の協議は、いわば国民の総意の表れかたを示すものであった。すなわち当時すでに、貧乏な神様も裕福な神様もみな平等な発言権を持っていた証拠である。民衆思想を建国の精神に基くとしていた正造の根拠はその辺にあったらしい。
正造は嘗つて江刺の嶽中でルッソオの民約論の翻訳を読んだ。また沼間守一をはじめ嚶鳴社一派から民権思想を注ぎこまれて大いに共鳴した。だが、彼は彼なりの解釈と信条とをもって民権運動に入ったのだった。