후리가나로 읽는 일본 고전
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
大鹿 卓의 渡良瀬川(わたらせがわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 280,528자 · 557화면
どんなに自分が世間のために尽しても、世間が冷然とそっぽをむいているばかりか馬鹿にされるようなことになれば、必ず不平が起きる」
父はそこまで杞憂してくれるのかと、正造は胸を搾め木にかけられる思いだった。
「自分のすることはすべて天に尽すのだ。そう思ってやれば何事も不平は起きまいと思います」
それを聴くと父は、傍の硯箱を引きよせて禿筆の先をかんだ。やがてすらすらと半紙に筆を走らせた。――死んでから仏になるはいらぬこと生きているうちよき人となれ。
某禅師の作だという。正造は一読、二読、自分にとって実に適切な箴言だと思った。しかも目にみる父の手跡をとおして父の情が測々と胸に沁みてくる思いだった。
――十二年前のその夜の情感が、正造の胸にまざまざと蘇った。それは昨日のようにあざやかであった。父が筆先をかむ仕種や、墨のついた唇でニヤリとする面影まで、行燈の蔭にうかがえるような気がした。
「親ほど有難いものはない……」
正造は溜息を吐くように洩らし、間をおいて同じ言葉をくりかえした。同時に、この長い年月、家を外にして狂奔するままに父を顧る暇さえなかったことが、悔恨のかげりに彼をさそうのであった。