일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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わたらせがわ

渡良瀬川

大鹿 卓

大鹿 卓의 渡良瀬川(わたらせがわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 280,528자 · 557화면

아오조라 문고

ただ河川が潤沢であることを挙げただけで、その一半の証明ともなるであろう。

河川があればこれに洪水のともなうことは、何処でもまず例外のない話である。渡良瀬川の下流地方もまた実に三年目、五年目に洪水に見舞われてきた。しかもその水源地は山が深く、嘗ての頃の尾根々々は斧鉞の入らない鬱蒼とした森林におおわれていたから、ひとたび山岳地方に大雨があると、その出水は森林の根方及び谷底に堆積していた枯枝、落葉、木の実の類の腐蝕したものを泥とともに押し流して、これを下流の沿岸一帯へ運びこんだ。それゆえ汎濫の去ったあとは、薄いところで二三寸、厚いところは八九寸もこの游泥でおおわれる。いわゆる腐葉土、天然の肥料である。すなわち洪水は沿岸の農作物を侵すが、そのかわり翌年、翌々年は肥料を施すことがいらない。農民たちはかえって洪水をよろこぶ傾向さえあった。しかも彼等はその年洪水で失った作物の損害を、漁獲によって補うことができた。洪水があると、四囲いたるところの河川、沼沢、渠溝に、魚がおびただしくふえるからである。

洪水は夏から秋へかけて多い。このあたりの農民は自然の教えに従って、大豆、小豆、粟、陸稲、芋などの夏作はなるべくわせ物を作って、その害を遁れるようにしていた。