후리가나로 읽는 일본 고전
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
大鹿 卓의 渡良瀬川(わたらせがわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 280,528자 · 557화면
七月十四日に彼が足尾所長に宛てた手紙の一節に、
「――金融之件も御心配被下千万難有奉存候。跡不足には明年度銅横浜先売り仕り前約定金請取申見込位にて、充分の安心と申す場合には到り兼申候得共、如何様とも工夫し追て仕払い可仕候」
そんな工合で工事なかばに苦境に陥ったが、この困難を一層急速にもたらしたものは、労働者の募集難と工事材料の不足であった。日清戦争後の企業熱勃興のために、労働者はたださえ払底している際で、足尾のような山間で五千人からの職工人夫を募るには、労銀の多寡を云々してはいられなかった。また工事材料のセメントその他も国内の製産能力に余力がなく、市価は古河の買付けのために急騰をきたしたほどであった。この間にあって、養子潤吉は市兵衛に代って、第一銀行の渋沢栄一に会見し、すでに貸出し制限以上に達していて市兵衛にも成し得なかった借款を、よく成し遂げて、急を救った。
潤吉は、この八月二十四日に実父陸奥宗光を失っていた。陸奥は前年五月に職を辞して専ら宿痾の肺患を療養していたが、今年に入って病勢がにわかに悪化し、ついに享年五十四をもって西ヶ原邸に歿した。潤吉はこの年、二十八歳、市兵衛は六十六歳であった。