후리가나로 읽는 일본 고전
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
大鹿 卓의 渡良瀬川(わたらせがわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 280,528자 · 557화면
まだ洪水の毒水が床下をひかぬ荒屋に妻子を残して来たもの、目の見えぬ母親一人に留守を頼んで来たもの、その事情はとりどりだが、決死の覚悟は一様に土け色の顔にあらわれていた。だが、悲壮な心は等しく通じ合っていても、いわば烏合の衆である。出発までには準備や勢ぞろいに暇どって、雲龍寺を出たのが午後一時、館林通過が二時半頃であった。途々大出喜平の作になる「鉱毒の歌」をうたいつつ川俣へむかって進んだ。
「――鳴呼もろともに覚悟せよ。山また川に罪はなし。
相手は卑しき稼業人。
憲法条規に則りて、恢復請願つとめねば。
このゆく先は知れた事。
艱難辛苦もなんのその。
岩をも徹さでおくべきぞ。……」
自分たちの唄声にみずからふっと悲しくなったり、照りつける西日さえつれない思いをさそわれたりしながら、彼等は川俣の船橋へと差しかかった。見ると警戒の手配はここにもゆき渡っていて、船橋はまったく取り除かれていた。前回は被害民が水中へとびこんで曳いてきたのにこりて、機械船もどこかへ隠したらしい。あたりはただ夕明りに光る水が、徒らに広々と湛えているばかりだった。仕方なく一同は川下の渡場をたずねて、利根北岸の堤防を東へ東へと下った。