후리가나로 읽는 일본 고전
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
大鹿 卓의 渡良瀬川(わたらせがわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 280,528자 · 557화면
その帰りの汽車の中で、婦人たちは期せずして急場の救済のことについて語り合った。かくて汽車が上野へ着くまでの間、婦人たちが相談に熱中している傍で、正造はときどき「有難い」と呟きながら耳を傾けていたが、いつか暗い窓外にその眼をすえて、独り冥想に陥った。この頃しきりに脳裏に去来するものは、過去十年の失敗の迹である。再三にとどまらず孤立に追いこまれてきたことである。最近は裁判官や学者の被害地臨検といい、有志知己の奔走といい、周囲の事情は好転にむかってきたというものの、正造の心の裡にはかえって孤独の感慨が根強く巣喰ってきた。そうしてこの秋、議員を辞すときに秘かに思い描いた最後の日が、もはや一日々々と近づいていることを痛感せずにはいられなかった。それはあるときは焦躁となり、またあるときは寂静となって胸を襲ってくるのだった。
かねて矯風会は、基督教育年会館でこの月の二十九日に演説会を開くように準備されていた。それで、その会をただちに鉱毒地救済婦人会の発会式とすることになった。当夜は矢島楫子の司会で潮田千勢子のほかに、厳本善治、安部磯雄、木下尚江、島田三郎がつぎつぎに登壇したが、これまでの鉱毒演説会が政治問題や社会問題として論ぜられたのとちがって、無智貧困の者の霊性が問題とされた。