후리가나로 읽는 일본 고전
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きどうむかしがたり
綺堂むかし語り
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 綺堂むかし語り(きどうむかしがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 183,656자 · 363화면
ざまあ見やがれ、うぬらのような百姓に判るもんか。」
それはお玉さんの声らしいので、私はびっくりした。なにか兄妹喧嘩でも始めたのかとも思った。店先に涼んでいる八百屋のおかみさんに聞くと、おかみさんは珍しくもないという顔をして笑っていた。
「ええ、気ちがいがまたあばれ出したんですよ。急に暑くなったんで逆上せたんでしょう。」
「お玉さんですか。」
「もう五、六年まえから可怪いんですよ。」
わたしは思わず戦慄した。わたしにはそれが初耳であった。お玉さんはわたしが下町へ行っているあいだに、いつか気ちがいになっていたのであった。私が八百屋のおかみさんと話しているうちにも、お玉さんはなにかしきりに呶鳴っていた。息もつかずに「べらぼう、畜生」などと罵っていた。徳さんの声はちっとも聞こえなかった。
家へ帰って其の話をすると、家の者もみんな知っていた。お玉さんの気ちがいと云うことは町内に隠れもない事実であったが、その原因は誰にも判らなかった。しかし別に乱暴を働くと云うのでもなく、夏も冬も長火鉢の前に坐って、死んだように鬱いでいるかと思うと、時々だしぬけに破れるような大きい声を出して、誰を相手にするとも無しに「なんでえ、畜生、べらぼう、百姓」