후리가나로 읽는 일본 고전
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きどうむかしがたり
綺堂むかし語り
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 綺堂むかし語り(きどうむかしがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 183,656자 · 363화면
十番雑記
「火の粉が来るよう。」
どこかの暗い家根のうえで呼ぶ声が遠くきこえた。庭の隅にはこおろぎの声がさびしく聞えた。蝋燭をふき消した私の家のなかは闇になった。
わたしの横町一円が火に焼かれたのは、それから一時間の後であった。小林君の家へゆき着いてから、わたしは宇治拾遺物語にあった絵仏師の話を思い出した。彼は芸術的満足を以って、わが家の焼けるのを笑いながちながめていたと云うことである。わたしはその烟りさえも見ようとはしなかった。(大正12・10「婦人公論」)
十番雑記
昭和十二年八月三十一日、火曜日。午前は陰、午後は晴れて暑い。
虫干しながらの書庫の整理も、連日の秋暑に疲れ勝ちでとかくに捗取らない。いよいよ晦日であるから、思い切って今日じゅうに片付けてしまおうと、汗をふきながら整理をつづけていると、手文庫の中から書きさしの原稿類を相当に見いだした。いずれも書き捨ての反古同様のものであったが、その中に「十番雑記」というのがある。私は大正十二年の震災に麹町の家を焼かれて、その十月から翌年の三月まで麻布の十番に仮寓していた。唯今見いだしたのは、その当時の雑記である。