후리가나로 읽는 일본 고전
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きどうむかしがたり
綺堂むかし語り
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 綺堂むかし語り(きどうむかしがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 183,656자 · 363화면
風呂を買うまで
その全部のなかから撰み出したらば、いくらか見られるものも出来るかと思うのであるが、前にもいう通り、手あたり次第にバスケットへつかみ込んで来たのであるから、なかには書き捨ての反古同様なものもある。その反古も今のわたしにはまた捨て難い形見のようにも思われるので、なんでもかまわずに掻きあつめることにした。
こうなると、急に気ぜわしくなって、すぐにその整理に取りかかると、冬の日は短い。おまけに午後には二、三人の来客があったので、一向に仕事は捗取らず、どうにか斯うにか片付いたのは夜の九時頃である。それでも門前には往来の足音が忙がしそうに聞える。北の窓をあけて見ると、大通りの空は灯のひかりで一面に明るい。明治座は今夜も夜業をしているのであろうなどとも思った。
さて纏まったこの雑文集の名をなんと云っていいか判らない。今の仮住居の地名をそのままに、仮に『十番随筆』ということにして置いた。これもまた記念の意味にほかならない。(昭和12・10刊『思い出草』所収)
風呂を買うまで
わたしは入浴が好きで、大正八年の秋以来あさ湯の廃止されたのを悲しんでいる一人である。浅草千束町辺の湯屋では依然として朝湯を焚くという話をきいて、山の手から遠くそれを羨んでいたのであるが、そこも震災後はどうなったか知らない。