후리가나로 읽는 일본 고전
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きどうむかしがたり
綺堂むかし語り
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 綺堂むかし語り(きどうむかしがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 183,656자 · 363화면
雷雨
「花火間もなき光かな」などと云って、むかしから花火は果敢ないものに謳われているが、その果敢ないものの果敢ない運命もやがては全くほろび尽くして、花火といえば両国式の大仕掛けの物ばかりであると思われるような時代が来るであろう。どんなに精巧な螺旋仕掛けのおもちゃが出来ても、あの粗末な細い竹筒が割れて、あかい火の光がぽんとあがるのを眺めていた昔の子供たちの愉快と幸福とを想像することは出来まい。
花火は夏のものであると私は云った。しかし、秋の宵の花火もまた一種の風趣がないでもない。鉢の朝顔の蔓がだんだんに伸びて、あさ夕はもう涼風が単衣の襟にしみる頃、まだ今年の夏を忘れ得ない子供たちが夜露のおりた町に出て、未練らしく花火をあげているのもある。勿論、その火の数は夏の頃ほどに多くない。秋の蛍――そうした寂しさを思わせるような火の光がところどころに揚がっていると、暗い空から弱い稲妻がときどきに落ちて来て、その光を奪いながら共に消えてゆく。子供心にも云い知れない淡い哀愁を誘い出されるのは、こういう秋の宵であった。(大正14・5「週刊朝日」)
雷雨
夏季に入っていつも感じるのは、夕立と雷鳴の少なくなったことである。