일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

ja-reading.com

후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.

きどうむかしがたり

綺堂むかし語り

岡本 綺堂

岡本 綺堂의 綺堂むかし語り(きどうむかしがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 183,656자 · 363화면

아오조라 문고

彼は煙草をのむので、私があるとき菊世界という巻莨一袋をやると、彼は拝して受取ったが、それを喫まなかった。自分の兄は日本軍の管理部に雇われているから、あしたの朝これを持って行ってやりたいと云うのである。われわれの宿所から管理部までは十町ほども距れている。彼は翌朝、忙がしい用事の隙をみて、その莨を管理部の兄のところへ届けに行った。

それから二、三日の後、私が近所を散歩していると、彼は他の苦力と二人づれで、路ばたの露店の饅頭を食っていたが、私の姿をみると直ぐに駈けて来た。連れの苦力は彼の兄であった。兄は私にむかって、丁寧に先日の莨の礼を述べた。いかに相手が苦力でも、一袋の莨のために兄弟から代るがわるに礼を云われて、私はいささか極まりが悪かった。

その後、注意して見ると、彼は時どきに兄をたずねて、二人が連れ立って何か食いに行くらしい。どちらが金を払うのか知らないが、兄弟仲のいいことは明らかに認められた。私は兄の顔をみると、莨をやることにしていたが、二、三回の後に兄はことわった。

大人の莨の乏しいことは私たちも知っていると、彼は云うのである。実際、戦地では莨に不自由している。