후리가나로 읽는 일본 고전
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きどうむかしがたり
綺堂むかし語り
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 綺堂むかし語り(きどうむかしがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 183,656자 · 363화면
もし果たしてそうであるならば、猪早太ほどにもない雑兵葉武者のわれわれ風情が、遠慮なしに頭からざぶざぶ浴びるなどは、遠つ昔の上臈の手前、いささか恐れ多き次第だとも思った。おいおいに朝湯の客がはいって来て、「好い天気になって結構です。」と口々に云う。なにさま外は晴れて水は澄んでいる。硝子戸越しに水中の魚の遊ぶのがあざやかにみえた。
朝飯をすました後、例の範頼の墓に参詣した。墓は宿から西北へ五、六丁、小山というところにある。稲田や芋畑のあいだを縫いながら、雨後のぬかるみを右へ幾曲がりして登ってゆくと、その間には紅い彼岸花がおびただしく咲いていた。墓は思うにもまして哀れなものであった。片手でも押し倒せそうな小さい仮家で、柊や柘植などの下枝に掩われながら、南向きに寂しく立っていた。秋の虫は墓にのぼって頻りに鳴いていた。
この時、この場合、何人も恍として鎌倉時代の人となるであろう。これを雨月物語式につづれば、範頼の亡霊がここへ現われて、「汝、見よ。源氏の運も久しからじ。」などと、恐ろしい呪いの声を放つところであろう。思いなしか、晴れた朝がまた陰って来た。
拝し終って墓畔の茶屋に休むと、おかみさんは大いに修善寺の繁昌を説き誇った。