후리가나로 읽는 일본 고전
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きどうむかしがたり
綺堂むかし語り
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 綺堂むかし語り(きどうむかしがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 183,656자 · 363화면
のである。
一昨年初めて参詣した時には、墓のありかが知れないので寺僧に頼んで案内してもらった。彼は品のよい若僧で、いろいろ詳しく話してくれた。その話に拠ると、その当時のこの磯部には浅野家所領の飛び地が約三百石ほどあった。その縁故に因って、大野は浅野家滅亡の後ここに来て身を落ちつけたらしい。そうして、大野とも云わず、九郎兵衛とも名乗らず、単に遊謙と称する一個の僧となって、小さい草堂を作って朝夕に経を読み、かたわらには村の子供たちを集めて読み書きを指南していた。彼が直筆の手本というものが今も村に残っている。磯部に於ける彼は決して不人望ではなかった。弟子たちにも親切に教えた、いろいろの慈善をも施した、碓氷川の堤防も自費で修理した。墓碑に寛延の年号を刻んであるのを見ると、よほど長命であったらしい。独身の彼は弟子たちの手に因って其の亡骸をここに葬られた。
「これだけ立派な墓が建てられているのを見ると、村の人にはよほど敬慕されていたんでしょうね。」と、わたしは云った。
「そうかも知れません。」
僧は彼に同情するような柔らかい口振りであった。たとえ不忠者にもせよ、不義者にもあれ、縁あって我が寺内に骨を埋めたからは、平等の慈悲を加えたいという宗教家の温かい心か、あるいは別に何らかの主張があるのか、若い僧の心持は私には判らなかっ