후리가나로 읽는 일본 고전
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きどうむかしがたり
綺堂むかし語り
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 綺堂むかし語り(きどうむかしがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 183,656자 · 363화면
江戸時代には箱根の温泉まで行くにしても、第一日は早朝に品川を発って程ヶ谷か戸塚に泊まる、第二日は小田原に泊まる。そうして、第三日にはじめて箱根の湯本に着く。但しそれは足の達者な人たちの旅で、病人や女や老人の足の弱い連れでは、第一日が神奈川泊まり、第二日が藤沢、第三日が小田原、第四日に至って初めて箱根に入り込むというのであるから、往復だけでも七、八日はかかる。それに滞在の日数を加えると、どうしても半月以上に達するのであるから、金と暇とのある人びとでなければ、湯治場めぐりなどは容易に出来るものではなかった。
江戸時代ばかりでなく、明治時代になって東海道線の汽車が開通するようになっても、まず箱根まで行くには国府津で汽車に別れる。それから乗合いのガタ馬車にゆられて、小田原を経て湯本に着く。そこで、湯本泊まりならば格別、さらに山の上へ登ろうとすれば、人力車か山駕籠に乗るのほかはない。小田原電鉄が出来て、その不便がやや救われたが、それとても国府津、湯本間だけの交通にとどまって、湯本以上の登山電車が開通するようになったのは、大正のなかば頃からである。そんなわけであるから、一泊でもかなりに気忙しい。