후리가나로 읽는 일본 고전
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きどうむかしがたり
綺堂むかし語り
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 綺堂むかし語り(きどうむかしがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 183,656자 · 363화면
大きい停車場は車窓から眺めるよりも、自分が構内の人となった方がよい。勿論、そこには地方の小停車場に見るような詩趣も画趣も見いだせないのであるが、なんとなく一種の雄大な感が湧く。そうして、そこには単なる混雑以外に一種の活気が見いだされる。汽車に乗る人、降りる人、かならずしも活気のある人たちばかりでもあるまい。親や友達の死を聞いて帰る人もあろう。自分の病いのために帰郷する人もあろう。地方で失敗して都会へ職業を求めに来た人もあろう。千差万別、もとより一概には云えないのであるが、その人たちが大きい停車場の混雑した空気につつまれた時、たれもかれも一種の活気を帯びた人のように見られる。単に、あわただしいと云ってしまえばそれ迄であるが、わたしはその間に生き生きした気分を感じて、いつも愉快に思う。
汽車の出たあとの静けさ、殊に夜汽車の汽笛のひびきが遠く消えて、見送りの人々などが静かに帰ってゆく。その寂しいような心持もまたわるくない。
わたしは麹町に長く住んでいるので、秋の宵などには散歩ながら四谷の停車場へ出て行く。この停車場は大でもなく小でもなく、わたしには余り面白くない中くらいのところであるが、それでも汽車の出たあとの静かな気分を味わうことが出来る。