후리가나로 읽는 일본 고전
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きどうむかしがたり
綺堂むかし語り
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 綺堂むかし語り(きどうむかしがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 183,656자 · 363화면
時にはまた、立派な座敷へ通されて恐縮することもある。腰弁当で出かけても、碌々に茶も飲ませてくれない家がある。そうかと思うと、茶や菓子を出して、おまけに鰻飯などを食わせてくれる家がある。その待遇は千差万別で、冷遇はいささか不平であるが、優待もあまりに気の毒でたびたび出かけるのを遠慮するようにもなる。冷遇も困るが、優待も困る。そこの加減がどうもむずかしいのであった。
そのあいだには、上野の図書館へも通ったが、やはり特別の書物を読もうとすると、蔵書家をたずねる必要が生ずるので、わたしは前に云うような冷遇と優待を受けながら、根よく方々をたずね廻った。ただ読んでいるばかりでは済まない。時には抜書きをすることもある。万年筆などの無い時代であるから、矢立と罫紙を持参で出かける。そうした思い出のある抜書き類も、先年の震災でみな灰となってしまった。
そういう時代に、博文館から日本文字全書、温知叢書、帝国文庫などの翻刻物を出してくれたのは、われわれに取って一種の福音であった。勿論、ありふれた物ばかりで、別に珍奇の書は見いだされなかったが、それらの書物を自分の座右に備え付けて置かれるというだけでも、確かに有難いことであった。