후리가나로 읽는 일본 고전
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きどうむかしがたり
綺堂むかし語り
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 綺堂むかし語り(きどうむかしがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 183,656자 · 363화면
またそのあいだを幾艘の大きい遊覧船が満艦飾というように燈籠をかけつらね遊覧客を乗せて漕ぎ廻っている。まずは両国の川開きともいうべき、華やかな夜の光景である。
満巻上人に祈り伏せられた悪龍は、その後ふたたび姿をみせないが、九頭龍明神と呼ばれて、今も蘆の湖の神と仰がれている。大祭の前夜に行なわれる燈籠流しも、この九頭龍明神を祭るが為であるという。湖水の底に棲む龍神は、今夜の繁昌をいかに眺めているであろうか。神も恐らく今昔の感に堪えないであろう。
燈籠流しは九時半ごろに終った。今まで湖上を照らしていた沢山の燈籠の火が一つ消え、二つ消えて、水は次第に暗くなった。舟の囃子もやんで、いつの間にか月も隠れた。見物の人々もおいおいに散って、岸の灯かげも薄くなった。私は云い知れない寂寥をおぼえて、闇の色の深くなり行く湖上を暫く眺めていた。
夜ふけに強羅まで戻るのも億劫であるので、私たちはここに一泊、ほかの座敷にはほとんど徹夜で騒いでいる客もあった。夜があけると、昨夜の流燈はことごとく片付けられて、湖上には全くその影を見せなかった。誰が拾って来たのか、燈籠の一つが食堂のテーブルの上に置かれてあったので、私は手に取って眺めていると、拭ったような湖面は俄かに暗くなって、例の驟雨がさっと降り出して来た。