일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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きどうむかしがたり

綺堂むかし語り

岡本 綺堂

岡本 綺堂의 綺堂むかし語り(きどうむかしがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 183,656자 · 363화면

아오조라 문고

O君の阿父さんも貰った。ところが、何かの都合からおてつは依然その営業をつづけていて、私の知っている頃までやはりおてつ牡丹餅の看板を懸けていたのである。

汁粉屋の茶碗と云うけれども、さすがに維新前に出来たものだけに、焼きも薬も悪くない。平仮名でおてつと大きく書いてある。わたしは今これを自分の茶碗に遣っている。しかし此の茶碗には幾人の唇が触れたであろう。

今この茶碗で番茶をすすっていると、江戸時代の麹町が湯気のあいだから蜃気楼のように朦朧と現われて来る。店の八つ手はその頃も青かった。文金高島田にやの字の帯を締めた武家の娘が、供の女を連れて徐かにはいって来た。娘の長い袂は八つ手の葉に触れた。娘は奥へ通って、小さい白扇を遣っていた。

この二人の姿が消えると、芝居で観る久松のような丁稚がはいって来た。丁稚は大きい風呂敷包みをおろして縁に腰をかけた。どこへか使いに行く途中と見える。彼は人に見られるのを恐れるように、なるたけ顔を隠して先ず牡丹餅を食った。それから汁粉を食った。銭を払って、前垂れで口を拭いて、逃げるようにこそこそと出て行った。

講武所ふうの髷に結って、黒木綿の紋付、小倉の馬乗り袴、朱鞘の大小の長いのをぶっ込んで、朴歯の高い下駄をがらつかせた若侍が、大手を振ってはいって来た。