후리가나로 읽는 일본 고전
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きどうむかしがたり
綺堂むかし語り
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 綺堂むかし語り(きどうむかしがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 183,656자 · 363화면
を着た男が小さい岡持をたずさえて穴釣りをしているのをしばしば見受けた。その穴釣りの鰻屋も、この柳のかげに寄って来て甘酒などを飲んでいることもあった。岡持にはかなり大きい鰻が四、五本ぐらい蜿くっているのを、私は見た。
そのほかには一種の軽子、いわゆる立ちン坊も四、五人ぐらいは常に集まっていた。下町から麹町四谷方面の山の手へ登るには、ここらから道路が爪先あがりになる。殊に眼の前には三宅坂がある。この坂も今よりは嶮しかった。そこで、下町から重い荷車を挽いて来た者は、ここから後押しを頼むことになる。立ちン坊はその後押しを目あてに稼ぎに出ているのであるが、距離の遠近によって二銭三銭、あるいは四銭五銭、それを一日に数回も往復するので、その当時の彼らとしては優に生活が出来たらしい。その立ちン坊もここで氷水を飲み、あま酒を飲んでいた。
立ちン坊といっても、毎日おなじ顔が出ているのである。直ぐ傍には桜田門外の派出所もある。したがって、彼らは他の人々に対して、無作法や不穏の言動を試みることはない。ここに休んでいる人々を相手に、いつも愉快に談笑しているのである。私もこの立ちン坊君を相手にして、しばしば語ったことがある。