후리가나로 읽는 일본 고전
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きどうむかしがたり
綺堂むかし語り
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 綺堂むかし語り(きどうむかしがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 183,656자 · 363화면
思う時、今日ラッパを吹いて来る豆腐屋の声にも一種のなつかしさを感ぜずにはいられない。現にわたしなども、この「水貝」で育てられて来たのである。但し近年は胃腸を弱くしているので、冬の湯豆腐に箸を付けることはあっても、夏の「水貝」の方は残念ながら遠慮している。
冷奴の平民的なるに対して、貴族的なるは鰻の蒲焼である。前者の甚だ淡泊なるに対して、後者は甚だ濃厚なるものであるが、いずれも夏向きの食い物の両大関である。むかしは鰻を食うのと駕籠に乗るのとを平民の贅沢と称していたという。今はさすがにそれほどでもないが、鰻を食ったり自動車に乗ったりするのは、懐中の冷たい時にはやはりむずかしい。国学者の斎藤彦麿翁はその著「神代余波」のうちに、盛んに蒲焼の美味を説いて、「一天四海に比類あるべからず」と云い、「われ六、七歳のころより好みくひて、八十歳まで無病なるはこの霊薬の効験にして、草根木皮のおよぶ所にあらず」とも云っている。今日でも彦麿翁の流れを汲んで、長生きの霊薬として鰻を食う人があるらしい。それほどの霊薬かどうかは知らないが、「一天四海に比類あるべからず」だけは私も同感である。