후리가나로 읽는 일본 고전
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きどうむかしがたり
綺堂むかし語り
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 綺堂むかし語り(きどうむかしがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 183,656자 · 363화면
唯すさまじい雷鳴と共に、家内が俄かに明るくなったように感じただけであったが、雨が晴れてから出てみると、かの柳は真っ黒に焦げて、大木の幹が半分ほども裂けていた。わたしは子供心に戦慄した。その以来、わたしはかみなり様が嫌いになった。
それでも幸いに、ひどい雷嫌いにもならなかったが、さりとて平然と落着いているような勇士にはなれなかった。雷鳴を不愉快に感ずることは、昔も今も変りがない。その私が暴雷におびやかされた例が三回ある。
その一は、明治三十七年の九月八日か九日の夜とおぼえている。わたしは東京日日新聞の従軍記者として満洲の戦地にあって、遼陽陥落の後、半月ほどは南門外の迎陽子という村落の民家に止宿していたが、そのあいだの事である。これは夕立というのではなく、午後二時頃からシトシトと降り出した雨が、暮るると共に烈しく降りしきって、九時を過ぎる頃から大雷雨となった。
雷光は青く、白く、あるいは紅く、あるいは紫に、みだれて裂けて、乱れて飛んで、暗い村落をいろいろに照らしている。雨はごうごうと降っている。雷はすさまじく鳴りはためいて、地震のような大きい地ひびきがする。