후리가나로 읽는 일본 고전
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きどうむかしがたり
綺堂むかし語り
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 綺堂むかし語り(きどうむかしがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 183,656자 · 363화면
大通りの町々と云っても、平日は寂しいもので――その当時は相当に賑やかいと思っていたのであるが――人通りもまた少なかった。
それが年末から春初にかけては、俄かに景気づいて繁昌する。平日がさびしいだけに、その繁昌がひどく眼に立って、いかにも歳の暮れらしい、忙がしい気分や、または正月らしい浮いた気分を誘い出すのであった。今日のように平日から絶えず賑わっていると、歳の暮れも正月も余りいちじるしい相違はみえないが、くどくも云う通り、ふだんが寝入っているだけに、暮れの十五、六日頃から正月の十五、六日まで約一ヵ月のあいだは、まったく世界が眼ざめて来たように感じられたものである。
今日のように各町内連合の年末大売出しなどというものはない。楽隊で囃し立てるようなこともない。大福引きで箪笥や座蒲団をくれたり、商品券をくれたりするようなこともない。しかし二十日過ぎになると、各商店では思い思いに商品を店いっぱいに列べたり、往来まで食み出すように積みかさねたりする。景気づけにほおずき提灯をかけるのもある。福引きのような大当りはないが、大抵の店では買物相当のお景物をくれることになっているので、その景品をこれ見よとばかりに積み飾って置く。