일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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きどうむかしがたり

綺堂むかし語り

岡本 綺堂

岡本 綺堂의 綺堂むかし語り(きどうむかしがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 183,656자 · 363화면

아오조라 문고

彼は近所の山口という医師の薬局生であった。わたしと別に懇意でもないが、湯屋なじみで普通の挨拶だけはするのであった。建具屋のおじいさんが書生さんと云ったのはこの男で、左官屋の徳さんはおそらく山口医師の診察を受けていたのであろうと私は推量した。

「左官屋の徳さんが死んだそうですね。」と、わたしもやがて風呂にはいって、少し熱い湯に顔をしかめながら訊いた。

「ええ、けさ七時頃に……。」

「あなたのところの先生に療治して貰っていたんですか。」

「そうです。慢性の腎臓炎でした。わたしのところへ診察を受けに来たのは先月からでしたが、何でもよっぽど前から悪かったらしいんですね。先生も最初からむずかしいと云っていたんですが、おととい頃から急に悪くなりました。」

「そうですか。気の毒でしたね。」

「なにしろ、気の毒でしたよ。」

鸚鵡返しにこんな挨拶をしながら、薬局生はうずたかい柚を掻きわけて流し場へ出た。それから水船のそばへたくさんの小桶をならべて、真赤に茹られた胸や手足を石鹸の白い泡に埋めていた。それを見るともなしに眺めながら、わたしはまだ風呂のなかに浸っていた。

表には師走の町らしい人の足音が忙がしそうにきこえた。