轻松读懂日语经典作品
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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
「文学界」1960(昭和35)年1月~1963(昭和38)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 292,113 字 · 587 页
「斎田さんとこで、加柴はだいぶ、オダをあげたようだな」
「タイヘイ(兵隊)がいやがったからさ」
「兵隊……?」
「北槻とかいう……」
「兵隊じゃなくて、あれは将校だ」
「あ、そうか」
俺は苦笑して、
「どっちにしても嫌いだね」
「なにしに行ったんだ」
「あの家へ行くと、いつもキスが出る。よほど、みいりがいいんだな」
「いつもって、そんなに行くのか」
「まだ二回だけどね。一回は砂馬さんと一緒だ」
「今度また一緒に行ってみよう」
「いつも床の間の前に、置き物みたいにすわってて、なんで稼いでるのかな」
「ひとのことより、自分の生活はどうなんだ」
この砂馬のリャクの相棒を、このところ、俺はつとめていない。
「下宿屋にいれば、メシだけは食える」
「ドヤヒン(下宿料)は?」
「払ってない」
「そいじゃ、下宿屋もネをあげてるだろう」
ウフフと俺は笑って、固めた拳に、小さな輪を描かせて、小さいが激烈に振りまわした。血のなかをあばれ回っている何か凶暴なものが、俺にそんな真似をさせたのだ。だから、無意味の動作だったが、
「なるほどねえ。加柴の四郎さんに、そうやって、あばれられちゃ、かなわねえからな」
「いいや、あばれやしない。