轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
「文学界」1960(昭和35)年1月~1963(昭和38)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 292,113 字 · 587 页
羅漢は素直に礼を言ったが、重野は、
「僕はいらない。いいですよ」
と言って、それなり黙りこくった。
「なに言ってやがる」
ここにはここの――クロポトキンじゃないが、相互扶助の仁義があって、ヒンを持たない奴には持ってる者がかわりに出すのが当り前だ。
その夜、アマシャリの差し入れがあって――自分たちで買っても、差し入れと言うのだが、それを雑役が(と言っても、俺たちと同じリュウコを食ってる奴が雑役として働いていたのだ)いそいそと分けて回った。
「さ、食いなよ」
重野に俺がすすめると、
「いらない」
重野は断乎として食わなかった。
「この野郎」
好かねえ野郎だ。殴りつけてやろうと俺がゲンコを固めて、ふりあげたら、
「ちょいと、ちょいと」
羅漢が妙に権威のこもった声で、
「そいつは、いけないね」
ラジオならすぐ出るはずなのに、余罪があるらしく羅漢はまだ豚箱にいた。
「およしなさいよ。それは、やめなさい」
ゲンコのやり場に窮した俺は、
「そうかい」
と言って、当の羅漢の頭をポカリと殴りつけたはいいが、
「あ、いてえ。すごい石頭だ」
羅漢はエッヘヘと笑って、
「殴られ賃に、もうひとつ」