轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
「文学界」1960(昭和35)年1月~1963(昭和38)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 292,113 字 · 587 页
(銃殺じゃないのか)
残酷な処刑の場面を兵隊以外の者に見せるのを憚ってか、
「こら、こっちへ来ちゃいかん」
顎ひげを蓄えた曹長が俺にどなった。
「向うへ行ってろ」
俺はしかし動かなかった。兵隊が銃を向けたが、俺は退かなかった。
「そんなに見たかったら、見てろ。俺の腕前を見せてやる」
と曹長は言って、
「それ行くぞ」
軍刀をさっと抜き放った。ダテの指揮刀ではなく、今まで幾度も血を吸っているらしいナガドス(日本刀)だ。
その軍刀を左斜めに振りあげた。鍾馗のような顔は全くこれは東洋鬼子だった。
穴の前にすわらせられた中国人は、前夜の拷問で便衣もぼろぼろだが、眼かくしされた顔も、顔とは思えない赤紫色になっていた。
だが、便衣の前をはだけて、あらわにされたクビ筋は変に白かった。
切りやすいように、そうしてむき出しにされたクビをめがけて、
「えい」
と軍刀が斜めに振りおろされた。
自慢していた通りのコナシ(手並)だった。軍刀は見事に首を切り落していた。つづいて曹長の足が、首のない胴体を穴のなかに蹴落した。
と同時に、隣りの男が、自分も切られたかのように悲鳴をあげて、穴のなかに自分からころがり落ちた。