轻松读懂日语经典作品
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かちうんまけうん
勝ち運負け運
佐々木 邦
「キング」大日本雄辯會講談社、1934(昭和9)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 119,262 字 · 243 页
中学時代には宿題の作文を僕が書いてやった。それが大分点数の補いになっている。その代り僕は数学の宿題を手伝って貰った。これで助かっていることは言うまでもない。この唇歯輔車の関係が未だに続いている。二人で有志懇親会の発起人を承わると、僕が回章を書いて、菊太郎君が会計方を勤める。
さて、二人の自叙伝に移る。切っても切れない因縁だから、僕自身のことを書けば、必ず菊太郎君のことが出て来る。
「お前はお隣りの菊太郎さんと同じ日に生れたんですよ。十一月三日の天長節よ。この上なしの日です」
と母親が度々言って聞かしてくれたことを思いだす。誕生日は皆祝って貰えるから忘れないが、母親は激励の積りらしかった。好い日に生れたから、運勢が好いとも言った。
「朝らしいですね、僕の生れたのは」
と或時僕は目を輝かした。得意だったのである。
「えゝ。朝も早いのよ。朝日の出る頃よ」
「僕、覚えています」
と今にして思えば、夙に偉人の資格を主張したのである。三つ四つどころでない。生れ落ちた時の記憶だから大きい。
「まさか」
「本当に覚えがあるんです」
「日出ちゃんは生意気ね」
と直ぐ上の錦子姉さんが睨んだ。