轻松读懂日语经典作品
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ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
「キング」大日本雄弁会講談社、1933(昭和8)年12月~1934(昭和9)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 120,290 字 · 239 页
まるで恋人の様にお前さんをこがれていたのじゃよ。
オオ、そうそう、犠牲と云えばまだある。わしは虎の子の百円札を二枚も奮発したのだ。わしは珠子さんがどこへ連れられて行くか、あとをつけて見ようと思った。そうすれば自然赤蠍の首領にも会えるのだからね。それには丁度よいことがあった。オイ、そこな偽物のお爺さん、手下の奴らにはもっと気を配らんといかんね。飼犬に手をかまれるということもある。あの自動車の運転台にいた、お前さんの二人の部下は、実になっちゃいないぜ。百円札一枚ずつで、わしに買収されて、行先は教えてくれるし、服装まで取替えてくれたではないか。つまりわしはお前さんの部下になりすまして、運転台にのっかっていたという訳なんだよ。
それにしても、自動車の中でも、ここへ来てからも、幾度わしはこの目論見を放棄しようと思ったか知れん。珠子さんがあんまり可哀相だったからじゃ。だがいくら可哀相でも、この機会に張本を捕えて置かにゃ逃げられてしまう。手下ばかり捕えたのじゃなんにもならん。わしは歯を食いしばって我慢をした。それでもあんまり見兼ねたものだから、自動車の中で咳払いをしたり、轢死人形の種明かしをしたりして、珠子さんの苦痛をいくらかでもやわらげてやったのじゃ。