轻松读懂日语经典作品
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ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
「キング」大日本雄弁会講談社、1933(昭和8)年12月~1934(昭和9)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 120,290 字 · 239 页
螯が! 螯が!
在学中は、双方の父親が親しい間柄であったというばかりではなく、何となくお互に引きつけられる感じで、級は違ったけれど、学校でも評判の仲好し、品子も珠子に劣らぬ美しい娘さんであった所から、この二人は「美貌の友」という、女学生らしい渾名で呼ばれていた程であった。
桜井品子は、その様に美しさでもズバ抜けていたけれど、その上彼女は美貌以上の才能に恵まれていた。品子は楽壇にも聞えたヴァイオリンの名手であった。少女時代既に天才をうたわれ、さる独逸人音楽教授の愛弟子となって、年と共にその技は進み、今では懇望されてステージに立つ事も屡々であった。洋楽を解する程の人にして、ヴァイオリニスト桜井品子の名を知らぬ者はなかった。
品子が愛友相川珠子の惨死を歎き悲しんだことは云うまでもないが、悲しみは忽ちにして恐れと変らなければならなかった。赤蠍襲来の不吉な予報が、既に彼女を襲い始めたからである。ある日、彼女の新しい家庭教師殿村夫人が、真蒼になって品子の肩の辺りを見つめた。ゾッとして振い落すと、彼女の肩から、例の悪魔の象徴赤い蠍の死骸が、ポトリと床に落ちたのであった。
品子はこの奇妙な出来事が何を意味するかを、よく知っていた「赤い蠍」