轻松读懂日语经典作品
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ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
「キング」大日本雄弁会講談社、1933(昭和8)年12月~1934(昭和9)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 120,290 字 · 239 页
大魔術師
「どこを探してもいないんです。第一あの自動車が見えません。警視庁へ帰ったのじゃありませんか」
「そうか。仕方がない。君、お隣の電話を借りてね、(家の電話は故障らしいんだ)この事を警視庁へそう云ってくれ給え。早くし給え」
一人の書生がお隣りの門内へ駈け込んで行く。桜井氏はそれを待つのももどかしく、
「イヤ、俺がかけよう」と口走りながら、書生のあとを追って行った。
大魔術師
「アア、モシモシ、蓑浦捜査係長は居られませんか。僕は桜井というもんです。桜井と云えば分ります」
そこの家の電話室へ飛び込んで、警視庁を呼び出すと、彼は送話口にしがみつくようにして呶鳴った。
「アア、蓑浦君ですか、僕桜井。大変なことが起ったんだ。君がよこしてくれた人達が取調べを済ませて帰ったすぐあとでね、娘が見えなくなったんだ。ベッドに寝させてあったのだがね。そのベッドが空っぽになっちまったんだ」
すると先方は妙なことを云い出した。
「アア、モシモシ、あなた桜井栄之丞さんですね。なんだか話が喰い違っているようですが。私からだと云って誰かがそちらへ行ったんですか」
「何を云ってるんだ。今から三十分程前に、君に電話をかけたじゃないか。