轻松读懂日语经典作品
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ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
「キング」大日本雄弁会講談社、1933(昭和8)年12月~1934(昭和9)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 120,290 字 · 239 页
「ウン、それで?」
「お嬢さんは、余程怖かったのでしょう、叫び声を立てて、いきなりあたしにすがりついてお出でなさる。あたしもつい年甲斐もなく、大きな声を出してしまったものですから、それからお邸中の大騒ぎになったのです」
「で、何時その蠍が、品子さんの肩にくッついたのか、分りましたか」
品子さんというのは桜井令嬢の名だ。
「それが分りませんの。気味が悪いではありませんか。お嬢さんは、着換えをしてから、一度も外出もなさらず、又外からのお客さまに会ってもいないとおっしゃるのです。アア、又目に見えない幽霊がうろつき始めました。その蠍が何所をどうしてお嬢さんの側へ近づいたのか、いくら考えて見ても、まるで見当もつきませんの」
「じゃ、あなたが品子さんに最初会った時はどうでした」
「無論最初からあの虫はくッついていたのですわ。それを迂濶にも、あたし暫く気附かないでいたのです。そうとしか考えられません。でなければ、あたしが見ている前で、誰かがお嬢さんの側へ近づいたことになりますが、いくら何でも、それを見逃す筈はありませんもの」
「じゃ、あの畜生め、今度は品子さんを餌食にしようっていうのだな。