轻松读懂日语经典作品
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ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
「キング」大日本雄弁会講談社、1933(昭和8)年12月~1934(昭和9)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 120,290 字 · 239 页
秘密函
そして、病人に話しかけようとした時である。
「ウフフフ……」
実に突然、ベッドに埋まった瀕死の病人が笑い出した。痩せた頭部をガクガクさせて、おかしくて堪らない様に、声を殺して笑い出した。
何ということだ。可哀相な老探偵は、とうとう気が狂ってしまったのかしら。
秘密函
「三笠さん、三笠さん、しっかりして下さい。どうしたのです」
守は思わず、老人の上に顔を寄せて、叫ぶように云った。
「ウフフフ……」
病人はなおも笑い続けながら、実に驚いたことには、まるでたっしゃな人の様に、ムックリ起上ると、いきなりベッドをおりて、守の前に立ちはだかった。
白いダブダブの寝間着を着た骸骨が、今墓場の中から甦って来たという恰好で、そこにヒョッコリ立っているのだ。守青年は、ギョッとして、思わずタジタジとあとじさりしながら、
「いけません、いけません、そんな無茶をしては、……」
と叫ぶ。
「シッ、大きな声をしちゃいけない。壁に耳ありじゃからね。だが、安心し給え。わしはこの通り、なんともないのだよ。ハハ……、わしはお芝居もなかなか上手じゃろうが」
云いながら、老人はラジオ体操の様に、手を動かして見せた。