轻松读懂日语经典作品
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ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
「キング」大日本雄弁会講談社、1933(昭和8)年12月~1934(昭和9)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 120,290 字 · 239 页
忽ちにして、庭園の足跡、挌闘の痕跡、品子さんの寝室の下の梯子の跡などが発見された。だが、それらの痕跡が何を語るものであるかは、流石の警官達にも、明瞭な判断を下すことが出来なかった。
次に家中の人々の個別訊問が行われた。主人から召使の末まで、階下の応接室に呼集められ、一人一人質問を受けた。
「これでお宅の方は全部ですか。ここへ来ていない人はありませんか」
警部補の肩章をつけた制服の一人が訊ねると、主人の桜井氏が答えた。
「イヤ、この外に娘の家庭教師と女中がいるのですが、二人は今娘の寝室に附添っていますので」
「アア、そうですか。よろしい、こちらから出向いて訊ねる事にしましょう。どうせお嬢さんからも伺い度いことがあるのですから」
警部補はそう云って、二人の刑事に目くばせすると、刑事達は急いで二階へ上って行った。
間もなく取調べは終ったが、これという発見もないらしく見えた。
「女中さんが、今朝大広間を掃除した時には、何もなかったというのですから、その掃除の終った七時半頃から、お嬢さんがあれを発見なさる十時頃までの二時間半の間に、何者かがあれを広間へ運び込んだということになります。