轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
「キング」大日本雄弁会講談社、1933(昭和8)年12月~1934(昭和9)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 120,290 字 · 239 页
「何だ、こりゃ」
司法主任がたまげた様な声を出した。
「いやだなあ。止しましょうよ。こんなもの、どうだっていいじゃありませんか。早くあっちへ行きましょう」
刑事は脅えているのだ。そのえたいの知れぬお化け植物を見るに耐えなかったのだ。
「マア待ち給え。どうも変だぜ、こいつは」
司法主任は、迷信家ではなかった。彼は毒蛇にでも近づく様に、用心しながら、その生白いものの側にしゃがんで、五本の白くて太い葉を、イヤ、指を見つめた。化物屋敷にふさわしくも、滑稽千万なことには、そこに雑草に混って、人間の腕が生えていたのだ。
「どうやら死骸は二人らしいぜ。向うの井戸に一人と、ここに一人と。……オイオイ君、どこへ行くんだ」
刑事はソッとこの場を逃げ出そうとしていたが、見とがめられて、仕方なく立止った。
「もう沢山です。僕等はみんな気でも狂ったんじゃありませんか。変ですぜ。草の中へ、まるで茸みたいに、人間の手や足が生えているなんて、これや化物の仕業ですぜ。いやだ、いやだ、僕はもう見たくもありませんや」
刑事の云う通り、そこには、合計四本の、手と足との植物が生えていたに違いないのだ。