轻松读懂日语经典作品
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ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
「キング」大日本雄弁会講談社、1933(昭和8)年12月~1934(昭和9)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 120,290 字 · 239 页
ただ気を失っていたばかりなのだ。
「早く、早く」
彼女はひからびた唇を動かして、しきりと窓を指さしている。では、窓の外に何者かが忍び寄っていたのか。
それも検べて見なければならぬ。だが、珠子の手当ても肝要だ。それに第一、若い女の裸身をいつまでも人目に曝して置くのは心ない業だ。
「君はあっちへ行ってね、代りに婆やをよこしてくれ給え」
守は先ず書生を去らせて置いて、
「先生、僕は外を検べて見ますから、ここをお願いしますよ」
と、彼自身も湯殿の外に出た。
焚き口へ廻って見ると、受持の女中が、庭に出て、キョロキョロとあたりを見廻していた。
「オイ、今そこを誰か通らなかったか」
声をかけると、女中はギョッとした様に振向いて、
「アノ、お嬢さまがどうかなすったのでございますか」
とおずおずと訊ねる。
「ウン、気絶していたんだ。誰か窓の外から覗いた奴があるらしい。お前気がつかなかったかい」
焚き口の戸は開いたままになっていて、湯殿の窓に近づく為には、その戸の前を通る外に道はないのだから、そこにいた女中の目をかすめることは出来なかった筈だ。
「イイエ、誰も、ここを通ったものなんかございません。