轻松读懂日语经典作品
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ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
「キング」大日本雄弁会講談社、1933(昭和8)年12月~1934(昭和9)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 120,290 字 · 239 页
人罠
彼の行手に、どんなに意外な恐ろしい運命が、待ち構えているかも知らないで。
人罠
麹町区六番地の陰気な屋敷町の中に、明治初期の様式の、実に古風な煉瓦造りの二階建てが、ポツンと取残された様に建っている。建物のまわりには、煉瓦造りとは凡そ縁遠い黒板塀が、厳重に建てめぐらされ、石の門に、赤さびた鉄の扉が閉まっている。これが老探偵三笠龍介氏の事務所兼邸宅なのだ。
三笠氏のやり口は、何につけても非常に風変りであったが、この邸宅などは、中にも著しい一例に違いない。この建物の異様なことは、ただ外観丈けではなく、内部の構造も、まるで犯罪者の巣窟ででもある様に、様々のカラクリ仕掛けが施してあって、訪問者を面喰わせるという噂であった。
守青年は、その門前で自転車を降りて、鉄扉を押し試みると、なんなく開いたので、そのまま玄関の石段を上って、ベルを押した。
ベルを押したかと思うと、待ち構えていた様に、ドアが開き、拳闘選手みたいにいかめしい男が顔を出して、呶鳴る様に云った。
「相川さんですか。先生はさっきからお待ちしています。お通り下さい」
入った所はホールになっていて、その正面に、二階への階段の彫りもののある手欄が大蛇の様にうねっていた。