轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
「キング」大日本雄弁会講談社、1933(昭和8)年12月~1934(昭和9)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 120,290 字 · 239 页
おかしいですね」
「御主人、これはただ事ではありませんぞ。守君は、なかなかしっかりした敏捷な方だ。それに犯罪に深い興味を持っておられる程だから、仮令どんな故障が起ろうとも、女子供ではあるまいし、今まで音沙汰がないというのは実に妙ですて。電話もかからないとすると。若しや……」
「若しや、どうだとおっしゃるのです」
「お気の毒ですが、犯人の手が伸びたと考える外ありません。一種の復讐ですね。犯罪の邪魔立てをする小癪な奴という訳でしょうて。殊に守君は珠子さんの兄さんじゃからね。又、春川月子の場合、警察に告げ知らせたのも守君じゃ。犯人の復讐ですよ、これは」
老探偵は、復讐という言葉に、不自然に力をこめて、彼自身が当の犯人ででもある様に、意地悪く断言した。
操一氏は、事業の上では恐れを知らぬつわものであったけれど、二人の子供が二人とも、妖虫の毒手にかかるのかと思うと、流石にうろたえないではいられなかった。
直ちに警視庁に電話をかけさせ、自身電話口に立って、この新たに突発した変事を知らせ、守青年の保護を依頼した。
「警察からも人が来てくれる相です。あなたにも御協力を願って、何としても犯人を探し出さなければなりません」