轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

06 第六分冊

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 200,320 字 · 398 页

青空文庫

よくよく調べてみると、案に相違して、使者は馘られてしまったということがわかった。

「小癪な」

と、秀長も高虎も、直ちに、一挙粉砕をもくろんで、行動にかかりかけたところ、忽ち、秀吉の本陣から、

「みだりに動くなかれ」

という厳命が来た。

炎熱八月の雲の峰の下に、帝釈山の旗幟は、すずやかに、また、こともなげに、ひるがえっていた。

例によって、秀吉は、何かにつけ、いちいち安土の信長へ使いを派していた。

――かように計らいたいと存じますが如何でしょう。

――かくかくの事態に見えますゆえ、かく致しておきました。

時には、無用なと思われる事々まで、いちいち急使を立てていた。

信長の代理として、高山長房が陣中の視察に来た。それが月の中旬頃。

九月――空しく過して――やがて十月となると、秀吉は初めて、堀尾茂助吉晴をよび、

「城中へ使いして来い」

と、命じた。そして、

「かような使いは、そちとしては初めての勤めであろう。心して参れよ」

と、いろいろな心がけを訓え、茂助もいつか、自分の側で、かような任務にも当る一かどの武者になったか――と感慨深そうに彼のすがたを見まもった。