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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
06 第六分冊
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 200,320 字 · 398 页
「さすがに、吝い御大将。お目のつけどころが偉い。またそれへ蘭丸とは、打ってつけのよいお使い」
などと陰口し合ったが、やがてその後、もっと深い事実を知ると、彼らは、自分で自分の口を抓らずにいられなかった。
いったい信長には、その豪放と派手気に似合わず、本性は吝嗇なのだという評がよく世間に撒かれていた。また実際、その例ともいえるようなことを挙げればいくらでもあった。
――で。いわゆる召使い根性から、今度の金の縄直しの件も、さっそくその口吻で囁き合ったわけだが、なんぞはからん、その後伝えられたところによると、岐阜城の金は間もなく、続々金蔵から搬出されて、世の陽の目を見ているという。
しかも、その金はみな、陸輸海運などで、みな伊勢へ送り出されていた。
思い合わすと。
伊勢大神宮は、ここ三百年このかた、遷宮の執り行いもなく、神廟の荒れようは畏き極みであったし、国家的な神事も久しく断えたままになっていたので、信長は、新宮御造作のことを思い立ち、昨年来、すでにそれに着手させていたのであった。
その御費用として、新宮造作の奉行は、およそ千貫という額を予算して、年暮に差し出したところ、信長は、