轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
05 第五分冊
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 197,228 字 · 394 页
によって、初めて完全に近いひとつの人格なり新しい文化なりを構成することができるのではあるまいか。
日頃もであったが、いま佐吉を見て、秀吉はしきりと、そんなふうに、長浜の小姓部屋にある人材を考えていた。
どうして、彼がそんなふうに、常に小姓部屋などを気にしているかといえば、彼は、老臣や重職の者よりも、そこにいる年少の輩を一ばん重要に観ていたからである。
十三、四になっても、まだ時々、洟汁を垂らしていたり、甚だしきは寝小便をしたり、取っ組んだり、泣き喚いたり、始末におえない存在ではあったが、秀吉のこころでは、小姓部屋こそ、人材の苗床、わが家の宝でもあると、そこから伸び育つ者を楽しみに注視しているのであった。
「……十三か。十三にしては、ちと出来すぎてはいるが?」
しきりと、そんなことを、彼は呟いたりしていた。そこへまもなく住職があいさつに見えた。
三珠院の住職は、佐吉の身の上について、秀吉からいろいろ問われたのに対してこう答えた。
「養育はしておりますが、長く寺におくつもりではございませぬ。当人の意志も沙門になく、両親も歿しておりますから、家名を興させねばならぬ身でございまする。