轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あんこくせい

暗黒星

江戸川 乱歩

「講談倶楽部」1939(昭和14)年1月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 94,000 字 · 188 页

青空文庫

「今度の事件をよく考えてみると、同じ伊志田家の家族中でも、犯人の襲撃のしかたがまちまちであったことに気づきます。もっとも際立っているのは、一郎君のお祖母さんだ。あの方はまったく一度も害をこうむっていない。非常なお年よりだから、犯人が問題にしなかったのかもしれないが、まるであの方だけ家族の一員でないかのような取扱いを受けている。

一方、これとは逆に、もっともしばしば犯人に狙われたのは一郎君、君だ。まっ先に短刀で刺されたのも君だし、その後も、麻酔剤を嗅がされて一と晩じゅう物置き部屋にころがっていたり、そうかと思うと、ゆうべは古井戸の底に投げ込まれていた。そのほか、君の写真の眼から血が流れたり、犯人から電話がかかってきたり、犯人はいつも君をもっとも憎んでいるように見えた。綾子さんは、恐ろしい嫌疑をかけられ、この事件では重要な役目を勤めているのだけれど、ほんとうに殺人鬼に襲われたのは、今度がはじめてなんだからね。

だが、君は幸運にも、死をまぬがれることができた。いや、君は幸運だったというよりも、犯人の方が不手際だった。例えば君に麻酔薬を嗅がせて、一晩空き部屋へほうり込んでおくというようなやり方は、僕にはまったく理解できないことだ。