轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あんこくせい

暗黒星

江戸川 乱歩

「講談倶楽部」1939(昭和14)年1月号~12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 94,000 字 · 188 页

青空文庫

この空き部屋の窓には確か鉄格子がはめてあった。もしその記憶が誤りでないとすれば、怪物は袋の鼠なのだ。

「しめたぞ」

思わずつぶやいて、ドアに手をかけると、中から押えている様子もなく、わけもなくひらいた。だが、部屋の中はまっ暗だ。電燈は引いてあるに違いないが、空き部屋のことだから、電球がついているかどうかわからない。入口に近い壁をさぐってみると、幸いにも、スイッチが手に触れたので、ともかくもそれを押してみた。すると、あっ、うまいぐあいに、パッと電燈がついたのである。

急いで部屋の中を見まわすと、怪物はどこへ隠れたのか姿もない。片隅にこわれかかった椅子が三脚ほうり出してあるほかに、なんの調度もないガランとした部屋だ。怪物は又しても妖術を使って、消え失せてしまったのであろうか。

いや、そうではない。窓の前に厚いカーテンが懸けたままになっていて、それが風もないのにかすかに揺れているではないか。隠れているのだ。あいつは窓の格子にさえぎられて、そとへ逃げ出すこともできず、カーテンの蔭にじっと身を潜めているのだ。明智はツカツカとその前に近づいて行った。

だが、明智は少し大胆すぎはしなかったであろうか。