轻松读懂日语经典作品
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きゅうこんさんじゅうし
求婚三銃士
佐々木 邦
「講談倶樂部」大日本雄辯會講談社、1934(昭和9)年10月~1935(昭和10)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,326 字 · 330 页
「然う/\、馬の名人だと申しました」
「馬は本当に名人です」
「お郷里に沢山飼ってあるんでございますってね?」
「はあ。僕のところは金持ちでなくて馬持ちです。一匹差上げましょうか?」
「オホヽヽヽ」
「ハッハヽヽヽ」
と安達君は一町続きのエレベーターを思い出した。佳子さんが笑ったのも大谷夫人から夢の話が伝わっていたのだろう。
「馬ってお金のかゝるものですってね?」
「そんなことはありません。僕、今に一頭持って来て乗り廻そうと思っているんです」
「大変よ」
「何故ですか?」
「先刻溝淵閣下が馬のお蔭で貧乏になったお話をなさいましたわ。少佐になった時、初めて馬を戴いたんですって。少佐から馬に乗って出勤が出来るんですから、一国一城の主になったような心持で大威張りだったそうでございます。ところが、お上から戴く飼葉料が少いんですって。その上に厩のある家へ引っ越して、馬丁に給料を払うんですから、忽ち悲鳴を揚げてしまったと仰有いましたわ」
「成程、馬丁は僕が勤めても、厩が必要ですね」
「はあ」
「厩のある家を借りると、僕なんか月給が家賃で悉皆飛んでしまいます」
「それですから馬なんか飼うことはおやめになって戴きますわ」