轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

きゅうこんさんじゅうし

求婚三銃士

佐々木 邦

「講談倶樂部」大日本雄辯會講談社、1934(昭和9)年10月~1935(昭和10)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,326 字 · 330 页

青空文庫

九分一分のチャンス

「悉皆足許を見られてしまいました」

「お言葉序に、橋本さんのお嬢さんをお頼み申上げますと仰有いません?」

「…………」

「何う? 安達さん」

「恐れ入りました。見込があるんですか?」

「ないこともありませんわ。私、お母さまとお親しく願っているんですから」

「あの人なら申分ないんですけれど、先方は閣下の令嬢、此方は……」

「五十五円」

「ハッハヽヽ」

「あなたは矢っ張り引っ込み思案ね。お人柄が好い丈けに」

「斯ういう性分だから仕方ありません」

「それじゃ御棄権なさいますの?」

「さあ。しかし立候補をして勝つ見込があるんですか?」

「勝つ見込って、あなた、相手を御存知?」

「相手があるんですか?」

「吉川さんよ」

「え?」

と安達君は、飛び立つように両方の膝を叩いた。

九分一分のチャンス

競争相手を吉川君と聞かされた安達君が未だ驚愕から回復しないうちに、女中が現われて、

「安達さん、瀬戸さんがお見えになりました」

と取次いだ。どうも邪魔が入る。

「二階へ通して置いて下さい」

と安達君は時に取って少し迷惑だったが、親友のことだから仕方がない。しかし直ぐに立とうとはしないで、

「奥さん」

と声を潜めた。