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きゅうこんさんじゅうし

求婚三銃士

佐々木 邦

「講談倶樂部」大日本雄辯會講談社、1934(昭和9)年10月~1935(昭和10)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,326 字 · 330 页

青空文庫

親友四人、揃いも揃ったものだ。

「昨今は日曜の午前丈け自由行動を許して貰っている」

と小宮君はもうそれだった。

「御無沙汰しちゃった」

「忙しいのかい?」

「うむ。何かとね」

「こゝへ来れば、一石二鳥だ。大いに話そうと思ってやって来たんだ。早速だが、吉川君を呼んでくれ給え」

「来ないよ、吉川君は」

「何故?」

「日曜は出ないんだ」

「それじゃ此方から押しかけよう」

「僕も日曜は出られない」

「何うして?」

「次第があるんだ」

「喧嘩したんだろう?」

「いや、違う」

「それじゃ何ういう次第だい?」

「話そうか?」

と安達君は決心して、一部始終を物語った。小宮君は一向驚かなかった。学生時代に始終一緒で薄々感づいていたから、

「イヨ/\始まったのか? 君達二人は当り前だけれど」

と言って、瀬戸君の立候補丈けを案外に思ったようだった。

「三人混戦さ」

「成程、思い当った」

「何かあったのかい?」

「この前の日曜に瀬戸君のところへ行ったんだよ。此方へ誘って来ようと思ったら、日曜は出ないと言っていた」

「待っているのさ」

「面白いな、これは」

「誰のところへお鉢が廻るだろうか?」

「さあ。吉川君と君は丁度好い勝負だ」