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だっせんむすこ
脱線息子
佐々木 邦
「キング」大日本雄辯會講談社、1927(昭和2)年7月~1928(昭和3)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 108,293 字 · 221 页
俊男君は他人の手前、
「何だ、此奴!」
と真剣になって詰め寄った。
「厭よ、俊男さん」
と秀子さんは新太郎君を楯に保護を求める積りでグルリと廻った。
「あ、痛!」
と新太郎君は足を踏まれて飛び上ったが、
「あら、御免遊ばせ」
と劬られて、
「いや、何う致しまして」
と光栄の態を示した。
「俊男さんが悪いのよ」
「何?」
「もうおよし、もうおよし」
と松浦さんは二人を制して、
「原田さんは真正に日曜丈ですか?」
と訊いた。
「えゝ。店がありますからな」
「御主人のように神経衰弱が利きませんのよ。オホヽヽヽ」
と秀子さんが又素っぱ抜いた。
「酷いですなあ」
と新太郎君は大袈裟に頭を掻いて又光栄がった。
松浦さんも笑い出す。
「脈があるぜ」
と寛一君が機会を見て囁いた。
「痛い!」
と新太郎君は再び飛び上って、
「今日は無暗に足を踏まれますよ。ヘッヘヽヽヽ」
とヨロ/\した。
「だらしのない男だなあ」
「オホヽヽヽヽ」
とこれは秀子さんだった。
駅は日帰りの連中で一杯だった。込み合いが押し合いになって松浦家の人達よりも先にプラットフォームへ出た時、
「然う形勢の悪いこともないようじゃないか?」