轻松读懂日语经典作品
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だっせんむすこ
脱線息子
佐々木 邦
「キング」大日本雄辯會講談社、1927(昭和2)年7月~1928(昭和3)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 108,293 字 · 221 页
お天下さま
丁度その頃に正式の申込をすることになる。
「あら、何故?」
「大変なことがあるんですよ」
「大変?」
「いゝえ、一寸差支えるんですよ」
「お繰合わせはつかなくって?」
「えゝ、堪忍して下さい」
「それじゃその次の日曜は?」
「当分駄目です」
「あなたは余りね」
「でも実際具合が悪いんです」
「何故?」
「何故って、さあ、困りましたなあ」
「もう宜いわ」
「秀子さん!」
「何よ」
「上れない次第は今度の日曜あたりに分ります。秀子さん、何うか悪しからず」
「堪忍して上げるわ。ガ※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)ナーさんが怖いと見えて小さなお声ね。それじゃ切ってよ」
「はあ」
「さよなら」
「さよなら」
お天下さま
松浦家では家つきの貞子夫人が采配を振っている。御主人清次郎氏は生来の温厚人だ。婿養子に来てから三十年間、一度でも自説を主張したことがない。万事奥さんの御意に委せる。結婚早々、自分の立場としてはこれが一番安全な政策と考えて、以来丹念に実行している。
唯の夫婦でも強い細君は弱い良人の鼻綱を取る。家庭生活も優勝劣敗を免れない。主人は外へ出て稼ぐ丈け歩が好いようなものゝ、
「主人が稼がないで誰が稼ぐのですか?」