轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

いやなかんじ

いやな感じ

高見 順

「文学界」1960(昭和35)年1月~1963(昭和38)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 292,113 字 · 587 页

青空文庫

そうした隠語を使うのはキザだ、ハッタリだと、人から思われることはかまわないが、俺が泥棒の隠語を使うことで俺たちアナーキストが泥棒と同じ類いの人間と見られることは困る。アナーキストの名誉のためにそれは心外だ。

隠語なんか、ほんとは使わないほうがいいのだ。と知りながら、隠語がつい口をついて出てくるのはなぜか。

現在の俺に残されているのはこの隠語だけなのだ。波瀾万丈――と自分で言っちゃおかしいが、そうした俺の過去が俺に残して行ったものはただこの隠語だけだったのだ。――

北槻中尉らの話を、聞くともなく聞いていると、軍の上層部には派閥があって、醜い勢力争いをしているようだった。ナワバリ争いだ。いや、マジメに書こう。いわゆる革新派にも同じような派閥があって、相剋とも言うべきその争いは、ひとしく錦旗革命を意図している青年将校の間にも分裂をもたらしていた。

そうした話のなかに真木大将という名がしきりと出てきて、北槻中尉はこの真木大将に心服している語調である。

「慷堂先生はどっちの派だ」

と俺はカニの脚から身を箸でつつき出しながら聞いた。

「先生は真木大将を信頼している。